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「鏡開き」って何?意味やルールはあるの?


「小正月」の風習や食べ物、津々浦々  あなたはお正月に日本人が神棚や床の間に飾る「鏡餅」=写真=を見たことがありますか?鏡餅とは、お正月に飾る2段に重ねられた丸いお餅のこと。1月11日には「鏡開き」といって、鏡もちを叩いて割り、砕いたもちを食べる風習があります。また、お正月飾りを燃やす火祭りや、小豆がゆや暖かい汁物などの行事食を味わう「小正月」と呼ばれる習わしが15日に全国各地で行われています。今回はこの二つのイベントと、それにまつわる食べ物について紹介します。 目次 1. お餅に関する基礎知識 2.「鏡開き」とは?「割る」はNG!「開く」が正解! 3. 「小正月」とは? その意味、風習と食べ物 4.  まとめ 1. お餅に関する基礎知識

 日本のお餅は、粘り気のあるもち米を蒸し、なめらかになるまでついたもの。もちにはもち専用のもち米を用いますが、これは日本人が常食するご飯用の「うるち米」とは異なります。餅つきでは、湯気が立つ熱々の蒸したもち米をつき終えたら、急いで用途に合わせて形成します。もちは冷めると固くなり、保存がききます。つきたての柔らかいお餅は、そのままあんこやきな粉、醤油などで味付けして楽しみます。

 お餅はお正月だけでなく、さまざまな祭りや年中行事など、お祝いに欠かせない食材でした。かつては暮らしの節目や儀礼の際に近隣の住人や親戚が集まってもちをつき、出来上がった餅をシェアしたりしていました。もちには様々な形、味付けのバリエーションがあり、季節に合わせお祝い行事の縁起物として食されています。


2.「鏡開き」とは?「割る」はNG!「開く」が正解!

 鏡餅とは、お正月に飾る2段に重ねられた丸いお餅のこと。鏡餅には、サイズは大小様々あり、あしらうアイテムも地方や家によってそれぞれ。円盤状のお餅は、古代の鏡に見立てたものです。日本では古くから鏡には神が宿るとされ、お正月にお迎えした年神様が鏡餅に宿っていると信じられてきました。お正月期間が終了し、年神様が宿ったお餅を神棚から降ろし、割って食べる行事が「鏡開き」で、1月11日に行うのが一般的です。 「開いた」お餅が固くなっているので、おしるこ、お雑煮など汁物に入れたり、あられ(もちを小さく切るか砕いて、焼いたり揚げて味付けをした米菓。呼び名は冬に降る氷の粒「あられ」に由来)にして味わいます。

鏡開きでは、神様が宿ったとされるお餅を食べることでその力を分けてもらい、1年の良運と無病息災を願います。鏡餅を刃物を使って「切る」ことは、武士(侍)が不名誉を受けて自害する「切腹」を連想させて縁起が悪いため、木槌(きづち)などで細かく割るようになりました。江戸時代以降、この武家スタイルが一般にも広まり、定着しました。実際には乾いて硬くなった鏡餅を写真のように「割る」のですが、「割る(=壊す)」といい言葉の響(ひびき)が悪いこともあり、神様を鏡もちからお出しするという意味で「開く」と言い習わすようになったそう。

 また、「鏡開き」にはもう一つの意味があります。結婚式や会社の落成式、記念式典な どで大きな樽酒のふたを木槌で勢いよく割る儀式も「鏡開き」と呼ばれています。この場合の「鏡」は、酒樽の丸い上ぶたのこと。そもそもお米から作られる餅と酒は切っても切れない関係で、いずれも古来から神様への神聖なお供えものとされてきました。神前に供えられた後、「お下がり」としてそのお酒を飲むことで神様の力をいただくという考え方は、鏡餅と同じです。 3. 「小正月」とは? その意味、風習と食べ物

 1月 11日の「鏡開き」に続き、15日は「小正月」と呼ばれる行事があります。1月15日は旧暦の正月のこと。「小正月(こしょうがつ)」とは、太陽暦の1月1日を中心とした「大正月(おおしょうがつ)」に対してつけられた呼称です。全国各地でお正月飾りを燃やす火祭りや、小豆がゆや暖かい汁物などの行事食を味わう風習が残っています。  小正月に食べるといいとされる伝統的な食べ物を紹介します。 一般的なのが米の粥に軟らかく煮た小豆を加え、塩で味付けした「小豆がゆ」です。同様の小豆がゆを宮城県では「アカツキ(=日の出)の粥」と呼びます。 小豆の赤い色には「邪気を祓う」力があるとされ、小豆を入れたおかゆやぜんざいを食べて一年の無病息災を祈願しました。富山県などでは、先述の鏡開きなどで残ったもちを加えた甘いぜんざいを食します。小正月に団子を作ったり、餅つきをする地域もあります。  寒さが厳しい東北地方の山形県や青森県、北海道南部では、小正月に細かく切った野菜と豆を味噌を加えて大鍋で煮こんだ「けの汁=写真下=」を食べます。米が貴重だった時代、細かく刻んだ根菜や山菜、きのこなどの具材を米に見立てて食べたと言われていますが、一年の無病息災を願っていただくのは他の地方と同様です。

普段家事で忙しい女性が小正月にくつろぐためにつくりおきする保存食で、小正月の朝、仏前に供えて拝んだ後、家族そろって食べるのが習わしです。大豆をすりつぶした「ずんだ」を入れてコクをだす地方もあります。栄養豊富な保存食として、大鍋に大量につくり、数日に渡って温めなおして食べる習慣がある。家庭ごとに食材やつくり方が異なる「おふくろの味」です。 (けの汁:画像出典 https://www.maff.go.jp 「うちの郷土料理」より)

温暖な九州の宮崎県南部では、小正月は紅白に加え、黄色、緑のお餅を木の枝に刺した「めの餅」を床の間や台所、軒先などに飾ります。「めの餅」を1月30日まで飾り、片付けるときに油で揚げてあられにしたのが「めの餅あられ」です。「め」は「繭(め)」の古名で、繭(まゆ)の豊産を祈ってかたどったのが名前の由来とか。行事飾りとしての役目を終えて片付ける際、枝から餅を外して油でこんがりと揚げてあられにします。味付けは、塩、醤油やきな粉など好みでいただくそう。 (画像提供元 : JA宮崎県女性組織協議会 https://www.maff.go.jp 「うちの郷土料理」より) 6. まとめ

 上の写真は、小正月に全国各地で行われている火祭りの様子です。手前の人々は、火にかざして枝に刺した団子を焼いています。地域により「左義長(さぎちょう)」「どんど焼き」とも呼ばれ、燃え上がる炎でお団子やお餅を焼いて食べたり、先に紹介したようなぜんざいや汁ものを振る舞います。燃やしているのは、門松やしめ縄などの正月飾りや前年のお札、お守りなど。正月飾りや1年の役目を終えたお守りに対して感謝を捧げて燃やし、聖なる火で焼いたものを食べることで、家内安全や無病息災を祈願します。


 日本のお正月に関連して、特にお餅にまつわる「鏡開き」と「小正月」の風習と行事食を紹介しましたが、あなたが食べてみたいと思うものはありましたか?どんど焼きなどの火祭りは今では都会ではお目にかかれない、田舎ならではの風物詩となっています。「餅」は、稲作を中心に国も文化も育まれた日本特有の食文化の象徴であり、四季を通じて様々な行事で色々なお餅が登場します。


 さて、お正月期間が終わればあとは本格的な春を待つばかり。

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