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春を愛でる日本の和菓子


↑ 濃淡のピンク色で満開の桜を表現した練り切り「桜きんとん」

和菓子で作り出す四季の風物詩 日本料理や日本文化を日本で学ぶチャンスをお探しのみなさん、日本のJapan Culinary Instituteからこんにちは!JCIのブログにようこそ。 3月は日本中が待ち望む春の桜の季節が到来します。春の風物詩である「桜」「うぐいす」「菜の花」「新緑」などのモチーフを盛り込んだが和菓子店に並びます。そう、春は和菓子の世界が華やかさを増す季節!日本の美意識をスイーツで表現した、食べられるアート=和菓子。今回は春の代表的な和菓子をご紹介します。和食に興味をお持ちのあなたなら、目で愛でて、舌で味わう日本の和菓子作り、JCIで一緒にトライしませんか? 目次

  1. 日本人と桜の深〜い関係

  2. 和菓子の真骨頂「練り切り」

  3. 桜モチーフの和菓子

  4. 代表的な春の和菓子

  5. まとめ


1. 日本人と桜の深〜い関係

↑ ライトアップされた桜並木の下では散策したり、宴会をして楽しみます


日本では3月に入ると、天気予報と一緒に桜予報(桜前線)と称して、各地で桜がいつ咲き始めるかを毎日報じます。もちろん、桜自体の美しさを日本人は愛でるのですが、それと同時に実は、桜に伴うお花見などのアウティングに心を踊らせるのです。日本各地には数多くの桜の名所があり、桜が咲くと多くの人が花見と称して桜の下で宴会をしたり、そぞろ歩きを楽しみます。最近では夜間にライトアップをして幻想的な夜桜を楽しむスポットも登場しています。

↑ 花見の名所には大勢が詰めかけ、酒、食事、甘味などを味わいます(小泉癸巳男 「飛鳥山の花見」 (1934)


食べやすく、花見しながら食べるのにぴったりの花見団子


2. 和菓子の真骨頂「練り切り」

和菓子の真骨頂とも言えるのが、四季折々の情景を写し取った芸術的な和菓子「練り切り」=写真=。種類によっては期間限定でしか味わえません。白インゲンなどを煮て水分を飛ばした白こしあんに山芋などを混ぜ、よく練ったものが練り切り(あん)で、次第にこの練り切りあんを用いた細工菓子を練り切りと呼ぶようになりました。練りきりは、お祝いの席や特別なお客様のおもてなしに供されたり、茶会の濃茶に合わせて振舞われます。 細工には、へらなど専用の道具や木型が使われます。繊細かつ優雅に仕上げるには、職人の技とともに、絵心やクリエーティビティーが問われます。練り切りあんの彩色にも職人のセンスが発揮されます。春のモチーフとしては、桜の他にも、春の訪れを告げると言われる小鳥「うぐいす」、桜と同時期に満開となる黄色い「菜の花」、早春に土から筆のような頭をのぞかせる植物「つくし」などがあります。色としては、桜色の他に、新緑を表す抹茶やヨモギのペーストを加えることで、春のもたらす風味と香りを添えます。

↑ 練り切りに花びらを描く和菓子職人


↑ 和菓子用の木型

↑ 右の桜の練り切りは木型を使用。左のまんじゅうには、春のモチーフ「つくし」が描かれています



↑ 春の訪れを告げる「うぐいす」の練り切りは、ころりとした形が可愛くて食べるのがためらわれるかも

↑ 流水に桜の花を浮かばせた「花筏(いかだ)」



3. 桜モチーフの和菓子

↑ 関東風桜もちのクレープ生地は、小麦粉に白玉粉を加えたもちっとした食感 日本人にとって、春を代表的する和菓子が「桜もち」。日本人は、春になると食べたくなってしまいます。桜色の生地とあんを桜の葉でくるんであります。桜もちには大きく分けて道明寺粉という砕いたもち米を使って作る関西風と、小麦粉などで作られた薄いクレープ生地仕立ての関東風の2種類があります。いずれも、桜の葉の塩漬けが見た目、風味、香りともにアクセントになっています。 桜もちの名脇役・桜の葉の塩漬けはなんと、ほぼ100%がJCIのある静岡県で生産されているのです!桜の葉の塩漬けには、香りが高く、柔らかで食感の良さが特長の静岡県の桜の品種「大島桜」が使われるそうで、桜の花が散り、鮮やかな葉が出揃った5月初旬に葉を収穫し、樽に並べて6か月ほど塩漬けします。あなたも来年の春、ぜひ大島桜を一緒に見に出かけませんか?

↑ 関西地方を中心に「道明寺」と呼ばれる関西風桜餅 日本人は桜が大好きなので、他にも多くの桜にちなんだ和菓子があります。

↑ ふっくらとやわらかな皮に桜の塩漬けを加えて春を演出した「桜じょうよまんじゅう」。じょうよとは大和芋、山芋、つくね芋などのこと。これらの芋をすりおろして生地に練りこみ、あんを包んで蒸し上げます

↑ 寒天のゼリーの中に揺らぐ桜花は、優雅でどことなく儚さを感じさせます

↑ もち米から作られた皮にあんを詰めた最中(もなか)も春はピンク色の桜の形で登場。最近ではチョコやアイスなど、あん以外を詰めたタイプも人気

↑ 蝶々、桜、わらびやつくしなどの春のモチーフをかたどった干菓子


↑ 桜のアイスを包んでいるのは桜の葉の塩漬け。まるで桜もちをあんみつに落とし込んだような「桜あんみつ」

↑ 白あんに細かく刻んだ桜の葉の塩漬けを混ぜ込んだ桜あんの「桜アンパン」。真ん中に飾られた桜の花の塩漬けがアクセントに



4. 代表的な春の和菓子

↑ 鮮やかな緑色とよもぎの独特の香りで爽やかさいっぱいの「草もち」 桜の他にも春をイメージした和菓子はたくさんあります。春先に芽吹くよもぎの清々しい香りを味わう「草餅」は、よもぎをもち生地にたっぷり練り込み、こしあんや粒あんを包んであります。桜餅と並んで春の人気定番メニューです。春ならではの野趣溢れる鮮やかな緑色と香りを楽しみます。

↑ よもぎの新芽は蒸してペースト状にしてもちに練りこみます

また、春らしい桜あんや抹茶あんを使った最中、どら焼き、饅頭、大福などは、定番とまた違った春らしさを演出できます。最中の皮を桜色にしたり、どら焼きの生地に抹茶を練り込んだり、まんじゅうに桜やつくしなどの春モチーフの焼き印を押す、桜の花の塩漬けを飾るなど工夫することで、基本の材料は同じでも、印象や風味がガラリと変えられるのが和菓子の特徴です。

↑ 青ばた豆を使った青きな粉の黄緑色が春告鳥「うぐいす」を象徴する「うぐいすもち」も春の定番

↑ お花見にぴったりの濃厚抹茶あんに桜の飾りが映える串だんごはSNSでも話題

↑ いちごの赤が春を感じさせる苺大福。白いもちはもちろん、よもぎを練り込んで緑色、果汁などを練り込んだカラフルなもちにして季節感を出せます。小豆あんを白あんに変えて、抹茶、刻んだ桜花の塩漬けなど加えたあんにすることで、多様なバリエーションが可能! 5.まとめ

 濃いピンクの八重桜の塩漬けを浮かべた桜花茶。塩気が和菓子の甘さとマッチ 春の日本は入学式、入社式など新たな始まりを感じさせる行事やお花見などの楽しいイベントが目白押し。春の訪れを春の和菓子の美しい彩りと春らしい香りでエンジョイするのが、日本人は大好きです! 今回紹介した中に、あなたが食べたい和菓子はありましたか? 繊細でアート感いっぱいの練り切り、作ってみたくなりましたか? まだまだ奥深い和菓子の世界、JCIの和菓子コースで学んでみませんか? お花見(と食べ歩き)もぜひ一緒に出かけましょう! 和菓子を学ぶなら、詳細はこちら!


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